枚葉処理ウェットエッチングツールのアプリケーション固有の進化

ブログ | 2021年1月26日

John Tadde、プロセス開発エンジニアリング担当ディレクター

半導体の設計は、タスクを完了するために必要な消費電力を削減しながら、単位スペースあたりの計算出力を増やす必要性によって常に推進されてきました。この改善率は、ムーアの法則によって特徴付けられています。歴史的に、これは主に単に形状を縮小する努力でした。パターンの縮小化が続いている一方で、近年、性能の追求は、アプリケーションに応じて、より複雑な一連の方向に進化しています。これらの方向には、代替基板(SiC、InP、InSb)、新しい用途の材料(Ru、Co、SiGe、GaN、WS、MoS)、および高度なパッケージングの実装を含みます。高度なパッケージングは、あらゆるレベルでバリエーションを持つ独自の進化を遂げてきました。2.5D(インターポーザー)、3D(ダイスタッキング)、ウエハ間ボンディング、異種統合(チップレットとダイレット)などです。性能向上の現在の推進要因には、人工知能(AI)、データセンターの需要、5G/6G通信、モノのインターネット(IoT)、自動運転があります。

正しいエッチングツールの選定は、アプリケーションによって決めるプロセスを経ます。自動ウェットエッチングは、バッチシステムで始まりました。これらのシステムは安価であり、

高スループットを提供する一方で、ウエハ内、ウエハ間、ロット間でのプロセス制御が不十分でした。カセット内の位置とウエハの向きに基づいて、エッチングプロセスに注意を払う必要があります。オープン槽システムは欠陥が多いほか、化学薬品の使用や廃棄物の発生も多く、安全上の問題もあります。バッチスプレーシステムは、ウェットベンチと比較して高いスループットを維持し、より優れたプロセス制御を提供しますが、それでも性能は最適とは言えません。そこで、枚葉処理タイプが、各ウエハに対して同じプロセス処理で同じ結果を得ることができるようにする技術として登場しました。枚葉処理タイプの利点は明らかでした。最高の均一性、最高の再現性、最低の欠陥プロセス。これらの結果は、化学薬品の使用量が少なく、廃棄物の発生を最小限にする安全な装置仕様で実現されます。

枚葉処理ウェットエッチングは、半導体製造の主流として採用され、COOを最小限に抑えながら、大量生産用途で一貫したプロセスを提供します。高品質で再現性の高いプロセスを推進するには、十分な濃度、温度、および流量を厳密に制御することが必要です。また、スループットを向上させ、COOを低下させながら、アンダーカット、均一性の変動、化学薬品の使用、および無駄を最小限に抑えるために、エンドポイント検出が導入されました。エンドポイントはウエハごとに検出することができるため、枚葉処理は理想的なプラットフォームであり、一方、バッチスプレーまたはウェットベンチシステムではウエハごとのプロセス調整ができません。理想的なエッチング装置とは、そのプロセスを完遂し、製造する製品の要求品質を満たすものです。このような理想的装置を実現するためには、性能向上の継続的な推進が要求されます。プロセスフローの中でエッチングプロセスは、高収率の製品を提供するために、製造ループ上流で生じた変動を補正する役割もあります。このように枚葉処理プラットフォームは現在も進化しており、かつては卓越した再現性を提供することのみを目的としていましたが、その特性を利用して、究極の適応性、つまり各ウエハに要求される固有プロセスを提供していきます。

ウエハの薄膜化は、表面粗さを軽減し、研削から応力を取り除くために採用されています。エッチングプロセスに入るウエハは、TTVが大きく、厚さにばらつきがありました。再現性に優れるエッチングプロセスにより、必要に応じて表面を粗くまたは滑らかにすることはできますが、厚さの変動とTTVは変化しません。新しいアプリケーションでは、面内のTTVが改善され、単なる薄膜化だけでなく付加価値のあるエッチングが要求されます。ウエハ厚さの測定(または外部測定を受け入れる機能)を装置に組み込む必要があり、ソフトウェアは、ばらつきのある処理前ウエハを、ばらつきを低減したウエハにするために、エッチングプロファイルとエッチング時間をウエハごとに制御する必要があります。TSV revealおよびビアレスrevealプロセスの幅広い採用により、その独自なばらつき制御要求が厳しくなっています。プロファイル補正とエッチング深さ制御に加えて、これらのアプリケーションには二次的な選択的エッチングも必要です。等方性で高いエッチング速度のプロセスを提供するウエハ薄膜化用薬品は、エッチ形状や表面テクスチャ制御、および断面形状の補正に適宜使用されます。しかしながら、これらの化学物質は、ビアホール形成や、revealプロセスで露出されるボンディングパッドなどの材料とは互換性がありません。したがって、このような露出した材料に選択性を持つ第2のエッチャントが必要となります。これらは、新たな基板組成や成膜材料の採用に伴い課題となりました。これには、プロセスウィンドウ(工程の目的を達成する上で許される処理条件の範囲)を確保することができる代替の化学物質を使用して対応する必要があります。その結果、ハイエンドの量産向けエッチング装置には、複数の化学薬品を常に利用できるようにするための仕様が組み込まれています。もちろん、ハイエンドのR&D向けには、化学薬品をタイムリーに変更する機能も具備しております。

これまで、製造プロセスには、SEMI標準に準拠したウエハが用いられていましたが、近年の新しいプロセスフローでは、一つのプラットフォーム上で複数の異なるサイズのウエハを処理できる自動化装置が必要となっています。その場合には、厚さもウエハの組成も、直径とともに異なることもあります。つまり、薄いウエハ、標準ウエハ、キャリアウエハ、再構成されたウエハ、貼り合わせウエハ、さらにはテープフレーム上のウエハも、同じツールで処理する必要がある場合があります。このため、ウエハハンドリング時およびプロセス処理中に治具が接触する可能性のあるウエハエッジなどのエリアで、生じる可能性がある問題にも対応する必要があります。このような製造要求の多様化に伴い、装置メーカーへの要求も高まっており、装置メーカーは、高生産性且つ製造コストを削減する装置を開発していかなければなりません。

TSV reveal - PMTは均一なreveal高さを保証します。UBMエッチング - EPDアンダーカット = 膜の深さ

 

EPDシングルポイント

まとめ

 AIやデータセンターの進化、5G/6G通信、IoT、および自動運転などの要求に対応するために、デバイスパフォーマンスが向上し、それに伴い、エッチング装置に要求される課題は増加しています。低COOで有能なエッチング装置を提供するためには、少なくとも、濃度、温度、流量などをスマートに監視、管理する厳密な化学薬品制御が必要です。また、高度なオプション仕様は、パフォーマンスを向上させるためのより微細構造の実現をサポートします。また、より厳しい制御が要求されるアプリケーションでは、従前のプロセス結果を補正するようなエッチング装置も必要となります。インライン計測機能、プロセスレシピの作成、および選択的エッチャントの選択は、これらの厳しいアプリケーション要求の対応するための必須要件です。さらに、支持材上にウエハを配置するプロセス、一時的な貼り合わせ、および薄膜化ウエハでは、より多様な処理および処理機能の追加が必要となります。つまり、アプリケーション毎に特化したエッチング装置を用いる必要性が高まっています。弊社ウェットエッチング装置は、多様かつ適応性の高いプラットフォームの採用により、アプリケーション毎に特化できるテクノロジーを組み込むことができ、今日のソリューション要求に適したプロセス制御を提供できるプラットフォームです。

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